国際バカロレア(IB)プログラムについて
国際バカロレア(通称IB:International Baccalaureate)は、スイスに本部を置く非営利の教育基盤です。グローバル社会で必要とされる知的、個人的、情緒的、社会的に優れた能力を育むためのカリキュラムです。
また、現在の教育制度では各国により違いがあり、大学入学資格が統一されていません。IBの目的は、世界共通の大学入学資格を規定し、明確でスムーズな進学スタイルを確立することです。
IBは世界共通の課題に取り組むグローバル人材のエリート教育です。
IBについて
●IB PYPプライマリー・イヤーズ Primary Years Programme(3歳~12歳)
PYPは3~12歳までを対象としたプログラムです。主に精神と身体に関するカリキュラムを用いて、年齢に応じた指導をしています。
【IB PYPの命題】
私たちは誰なのか/私たちはどのような時代と場所にいるのか/私たちはどのように自分を表現するか/世界はどのような仕組みになっているのか/私たちは自分たちをどう組織しているのか/この地球を共有するということ
IBでは、これらの命題を通して、世界の仲間と共存していく必要性を学びます。また、IBの特徴は日本の幼稚園・小学校相当の一般科目だけでなく、芸術科目を重視していることです。命題の中にある「自分を表現する」とは、芸術への理解を深め、自己表現力を育むことを意味します。
●IB MYPミドル・イヤーズ・プログラム Middle Years Programme(11/12歳~16歳)
11歳(12歳)~16歳までを対象としたプログラムで、PYPからの流れを汲んだカリキュラムです。
言語A/言語B/人文科学/理科/数学/芸術/体育/テクノロジーさらに、これらを混合したものを履修します。学習の方法/コミュニティーと奉仕活動/人間の創造性/多様な環境/保健教育と社会性の教育社会貢献や異なる環境を受け入れるなど、広い視野でものを見ることを指導します。グローバル社会で展開される多様な文化・価値観に対して、寛容であることの重要性をアクティビティを通して学びます。
●IBDPディプロマ・プログラム Diploma Programme(16歳~18歳)
DPは16歳~18歳までを対象にしたプログラムです。2年間の履修の後、最終試験を経て、世界基準の大学入学資格であるディプロマが与えられます。
日本の教育との大きな違いは、文学芸術分野と宗教分野の履修が重要視されていることです。文学芸術に対する理解は、情報発信の際にも必要な高度な言語能力としてIBをはじめとした、グローバル教育で重視されています。また、IBが力を注いでいる宗教の理解は、紛争や戦争などからの積極的な回避、平和的な共生に繋がる教育です。
●全人教育
IBには文・理などの区別はなく、全科目を履修します。それらの準備段階として、プライマリー・イヤーズから高度な教育を施し、ベースを築きます。すべての履修を終えたDPでは、日本の高校卒業相当をミドル・イヤーズ・プログラムまでで修了し、高校二年生に相当する年齢でDP(日本の大学一~二年次の一般教養課程相当)を履修します。その後、世界基準の大学入学資格を取得します。世界的に認知度の高いIB履修者は、成績が優秀であれば世界中の大学にエントリーできます。
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